動作AI · 5-4 · 緊急ミッション

単語から動作へ — 言葉と身ぶりを同じ地図に置く

5-3では、動作は16個の数でできた点になった。今回は言葉も点にする。「손을 흔든다」(手を振る)という文と手を振る動作が同じ地図の同じ場所に来るように、言葉じょうごと動作じょうごを一緒に学習する。最初は絡まっていた線が、学習とともに自分のペアを見つけていく過程を見守り、最後には文を入力して棒人間を動かす。「춤춰」(踊って)のひと言も、ここで初めて動作になる。

40マス単語袋:文を変換した数の個数
8マス言葉と動作が共有する地図の大きさ
1.90 → 0.01ペア合わせ損失、学習400ステップ(コード1)
100%テスト動作140個 → 文を当てる(コード1)
5 / 7学習になかったテスト文が、自分の動作を見つけた数(コード1)
2つColabですぐ動かせるコード
1ミッション

4番目の指令 —「言葉で命じたら動くようにせよ」

5-3の生成器Eでは、「投げる動作が集まる場所」を私たちが選んでやる必要があった。今回は人が言葉で選ぶ。そのためには、言葉も地図上の点にならなければならない。

[SYSTEM] 06:20 · 5-3完了報告を受理。次の指令:文で動作を選ぶこと。添付:7番目のシーン「ダンス」、シーンごとに付いた文4つずつ。
博士
博士動作ごとに説明文を付けたよ。「캔을 멀리 던진다」(缶を遠くへ投げる)、「반갑게 손을 흔든다」(うれしそうに手を振る)… 文と動作をペアにまとめて、ペア同士は地図で近くに、他人同士は遠くに!
助手
助手でも、文って文字ですよね。文字も数に変えないと、じょうごに入れられないですよね?
ショウジョウバエ研究員
ショウジョウバエ研究員いちばん簡単な方法からいこう。辞書にある単語のかけらが入っていれば1、なければ0。これが単語袋。雑だけど、どこで間違えるかを見るにはぴったりなんだ。
研究室ロボットダンスのシーンを加えて、動作は7種類になりました。文は種類ごとに4つ、そのうち1つはテスト用に隠してあります。
棒人間が光るキーボードを打つと、吹き出しの中の文字のかけらが流れ出て、5人の棒人間がだんだん楽しそうに踊る行列になり、助手と博士、ロボットたちが喜んでいる場面
文がかけらに散らばって動作になる場面。セクション2〜5で、この道のりを順に作っていく。
2言葉は数

言葉も数だ — 単語袋40マス

文を入力するか、例を押してみよう。辞書にある単語のかけら40個のうち、文に含まれているものだけが1になる。この40個の数が言葉じょうごの入力である。

吹き出しと光る四角いかけらの間で、かけらを投げ、一列に並べ、手に持ち上げると小さな棒人間が踊り出す、テキストプロンプト担当の棒人間
文をかけらに分けるテキストプロンプト担当

初心者向けの解説

単語袋は、文を「どの単語が入っているか」だけで見る。語順・助詞・文脈はすべて捨てる。だから「길에 캔을 던져 버린다」(道に缶を投げ捨てる)の「버린」と、「쓰레기통에 쓰레기를 버린다」(ごみ箱にごみを捨てる)の「버린」(捨て)が同じマスをオンにする。一方は投棄、もう一方は正常なのに。この雑さが、セクション6で実際の間違いとして現れる。文の順序や文脈まで数に込める方法は、3-5と3-8で扱う。

3ペア合わせ

ペア合わせ — 絡まった線が自分のペアを見つけていく

左は文、右は動作である(順番はわざと混ぜてある)。線の太さは、その文がその動作を選ぶ確率である。「学習再生」を押すか、バーをドラッグして学習を進めてみよう。

学習ステップ0
左の文

コード1の結果 — 学習ステップごとに

学習ステップペア合わせ損失テスト文7個 → 近いテスト動作5個のうち正しい種類テスト動作140個 → いちばん近い文の種類が正解
0—2.9%10.0%
101.76328.6%55.0%
251.31765.7%72.1%
500.39571.4%96.4%
1000.09071.4%100.0%
4000.01071.4%100.0%

上の画面の学習は、ブラウザで同じ計算をもう一度回したものなので(乱数が違う)、ステップごとの数値が少し異なる。テスト文は7個中5個が自分の動作を見つけた。見つけられなかった2個はセクション6で見る。

対照学習は何を直すのか

  1. 種類ごとにシーン1つと文1つを選ぶ。7組である。
  2. 文7個を言葉じょうご(40 → 8)で、シーン7個を動作じょうご(5-3の16個の数 → 8)で折りたたむ。
  3. 両者を掛け合わせて(内積)7 × 7の点数表を作る。対角線が本当のペアである。
  4. 行ごと・列ごとにソフトマックスで確率を作り、対角線の確率が1に近づくように、2つのじょうごの重みを少しずつ直す。これを400回繰り返す。

言葉と画像をこうして合わせたCLIP [R1]も、言葉と動作を合わせたMotionCLIP [R2]も、同じ原理である。実際のモデルは、言葉じょうごにトランスフォーマーを、ペアに数億組を使う。

4同じ地図

同じ地図の上の言葉と動作

8マスの地図の点を長さ1にそろえたうえで(向きだけを見るように)、最も広く散らばる2つの方向に押しつぶして描いた。丸は動作シーン、ひし形は文である。学習ステップを0から400へ動かしながら、文が自分の動作の群れのそばへ行くかどうかを見てみよう。

学習ステップ400

学習後は、同じ色の丸(動作)とひし形(文)が一か所に集まる。言葉と動作が「同じ地図の同じ町内」に住むようになったのである。これで、文を1つ地図に置けば、その近くの動作を取り出したり、その町内から新しい動作を引き出したりできる。

5言葉 → 動作

文を入れると棒人間が動く

文を入力してEnter。「探す」は地図でいちばん近いシーンをそのまま取り出し、「作る」は近いシーン5個が集まる場所から新しい動作を引き出す。「~다가」(〜していて)、「~고 나서」(〜してから)で2つの文をつなぐと、前後につなぎ合わせる。

方式

コード2の結果 — 作った動作は本当にその種類か

方式学習文21個(×5回)テスト文7個(×5回)
探す100.0%71.4%
作る100.0%71.4%

作った動作の種類は、5-3の潜在空間で種類ごとの中心に最も近いもので判定した。「춤춰」(踊って)→ 作った動作は「踊る」と判定され、骨の長さの誤差は5.4%だった。つなぎ合わせ:「걸어가다가 손을 흔든다」(歩いていて手を振る)→ 前半 通り過ぎる · 後半 手を振る、「손을 흔들고 나서 춤춰」(手を振ってから踊って)→ 手を振る · 踊る、「캔을 줍고 쓰레기통에 넣는다」(缶を拾ってごみ箱に入れる)→ 拾う · ごみ箱に入れる。

「作る」をもっと良くするには

この回の「作る」は、地図で近いシーン5個が集まる場所を平均と広がりで近似し、5-3の線形デコーダで広げる。実際のテキスト–動作生成モデルは、文を条件として受け取り、ノイズから動作を取り出していく拡散モデル(MDM [R4])や、動作をトークンに変えて次のトークンを書き継ぐ方式(T2M-GPT [R5])を使う。学習データとしては、動作ごとに人が文を付けたHumanML3D [R3]が広く使われている。

6限界

単語袋が間違えるところ、そして最終ミッション

テスト文7個のうち2個が、見当違いの動作を見つけた。どちらも理由ははっきりしている。

テスト文正解見つけた動作(近い5個)なぜ間違えたか
「길에 캔을 던져 버린다」(道に缶を投げ捨てる)遠くに投げるごみ箱に入れる × 5「던져」(投げ)は学習文になかったかけらで、「버린」(捨て)は「ごみ箱に入れる」の文(「쓰레기통에 쓰레기를 버린다」、ごみ箱にごみを捨てる)で学んだかけらだ。文脈を知らないので、「버린다 = ごみ箱に入れる」に引っ張られた
「손을 펴서 떨어뜨리고 걸어간다」(手を開いて落とし、歩いていく)足元に落とす通り過ぎる × 5「걸어」(歩い)、「간다」(行く)が「通り過ぎる」の方へ強く引っ張った。どの単語が中心の動作(落とす)なのかを、単語袋は知らない
「걷다가 손 흔들기」(歩きながら手振り)(セクション5)通り過ぎる → 手を振る前半が見当違い「걷」(歩)は辞書にはあるが、学習文には一度も出てこなかった(学習文はすべて「걸어」)。学んだことのないマスは、地図上のどこも指さない

上の表の「見つけた動作」はコード1の結果である。ブラウザで学習し直すセクション5では、「길에 캔을 던져 버린다」(道に缶を投げ捨てる)が「拾う」の方へ行くこともある。学習の乱数によって引っ張られる先は違っても、「投げる」を見つけられない理由(文脈を知らない単語袋)は同じである。

この回でわかったこと
  • 言葉も点になる:文を数に変え、じょうごで折りたたむと、動作と同じ地図に置かれる。
  • ペアで学ぶ:対照学習は「ペアは近く、他は遠く」だけで2つのじょうごを合わせる。損失 1.90 → 0.01。
  • 地図から取り出し、引き出す:探すと作る、そして文の順番どおりにつなぎ合わせる。
残った問題
  • 言葉じょうごが浅すぎる:語順・文脈・初めて見る単語を扱うには、トランスフォーマーのようなテキストエンコーダが必要だ(3-8)。
  • 棒人間は棒人間:ダンスは作れたが、まだ骨組みだけだ。この骨組みに人(助手)の姿をまとわせて映像にするのが、最終ミッションである。
音符が漂う中で棒人間が正面・横・後ろ向きに立ち、下の段では腕を振り回す、回る、指さす、膝を上げるという4つのダンスのポーズ
次のミッション予告 · 棒人間のダンス動作カード
博士
博士「춤춰」(踊って)のひと言で棒人間が踊ったよ。最後はこの骨組みに人をまとわせるんだ。助手、準備はいい?
助手
助手…やっぱり私が踊るんですね。棒人間が踊ったら、私がそっくりまねして踊る映像ができるってことですよね?
ショウジョウバエ研究員
ショウジョウバエ研究員5-5で実際の映像を開いてみるよ。画面に「動作一致率」っていう数字も出てたんだ。

Colabコード — このページを自分で実行してみる

どちらのコードも、Colabに標準でインストールされているライブラリだけを使う。「ノートブック(.ipynb)をダウンロード」したあと、Colabでファイル → ノートブックをアップロードから開くか、コピーして新しいノートブックのセルに貼り付ける。

コード1 · 単語袋と対照学習 — 言葉と動作を同じ地図にセクション2〜4と連携 · numpy · CPU 約5秒

ダンスのシーンを加え、文を単語袋に、動作を16個の数に変えたあと、2つのじょうごを対照学習で合わせる。学習ステップごとの損失とテスト文の的中を出力する。自分のデータに替えるには CAPTIONSに自分の動作の説明文を、VOCABに使う単語のかけらを入れる。

実行結果(2026-10-05実行、numpy 2.4・CPU)。シードを固定しているので、いつ実行しても同じになる。
コード2 · 言葉を入れると動作が出てくる — 探す、作る、つなぐセクション5と連携 · numpy · CPU 約5秒

学習した2つのじょうごで、文 → 動作を探したり新しく作ったりし、「~다가」(〜していて)でつないだ文を前後につなぎ合わせる。作った動作の種類を潜在空間で判定する。セクション5の表は、この出力からそのまま作られる。

実行結果(2026-10-05実行、numpy 2.4・CPU)。シードを固定しているので、いつ実行しても同じになる。

AI応用プロンプト — このコードを出発点にする

ChatGPT、Qwen、ClaudeのようなAIアシスタントに貼り付けるプロンプトである。「コピー」を押すと、プロンプトの後ろに選んだコードが一緒に付く。〔 〕の中を自分の状況に書き換えて使えばよい。

一緒に付けるコード

AIの答えは出発点にすぎない。提案された論文・数値・ライブラリ関数は、必ず原文と公式ドキュメントで確認する。実在の人物が映る映像を使うときは、撮影の同意と個人情報の取り扱い規定をまず確認する。

用語集

本文の黄色い点線下線と同じ辞書である。セクション名を押すと、最初に出てきた場所へ移動する。

たとえ集 — そして、たとえが外れるところ

たとえは理解の第一歩だが、誤解の種にもなる。人の知覚と比べたたとえには強さを示した。直接 実際に同じ働きをするという根拠がある · 部分 一部の性質だけが似ている · なし 対応するものが知られていない

概念日常のたとえ人の知覚のたとえたとえが外れるところ
単語袋文を単語カードに切り分けて袋に入れ、振るなし袋から取り出したカードには順番がない。「犬が人をかむ」と「人が犬をかむ」が同じになる
対照学習ペア合わせのカードゲーム:合うペアはくっつけ、合わないものは離す部分 言葉を聞きながらその動作も一緒に見る子どもが、単語の意味を身につけること子どもは数回で覚えるが、モデルは同じペアを数百回見なければならず、ペアのない単語は最後まで分からない
同じ地図2つの国の言葉を1冊の辞書に一緒に載せるなし辞書は人が対応を決めるが、この地図はペアのデータだけで対応が生まれる。ペアが少ない言葉は見当違いの場所に置かれる
探す対作る図書館で本を借りる 対 似た本を読んで新しい文章を書くなし新しい文章には作家の意図があるが、この回の「作る」は近い5つのシーンの平均付近を引き出すだけだ
つなぎ合わせ「まず〜して、次に〜して」というダンスの振り付けの指示部分 文の順番どおりに体を動かすこと振付師はつなぎ目を自然に変えるが、ここでは10フレームを単純に混ぜる

著者紹介と参考文献

E-1 著者紹介 · E-2 学術参考文献 · E-3 図と数字の出典

E-1 著者紹介

アン・サンソン(株式会社M-Robo代表)

韓国電気安全公社、毎日経済新聞を経て、現在は毎日経済の社外ベンチャーである株式会社M-Roboを創業し、代表を務めている。株式会社M-Roboは報道機関の社内ベンチャーとして始まったメディアベンチャーで、国民日報にロボット記者(ストックボット)を提供し、韓国インターネット振興院、韓国言論振興財団、韓国放送通信電波振興院などで多数のプロジェクトを手がけた。その後、自社のAIニュース新聞であるMoney-Roboを提供している。代表在任中にアジアオープンデータハッカソンで優勝し、データ創業分野の功労により行政安全部長官賞を2回受賞した。人工知能およびブロックチェーン分野で5件の特許の発明者・登録者である。著書に『AI犯罪と自己防衛』があり、フィンテック、統計学、人工知能の分野について、韓国技術教育大学校オンライン生涯教育院のeラーニングコンテンツを開発した。最終学位は経済学博士(東国大学校、ミクロ数理経済学)である。国民大学校、湖西大学校など複数の大学で、データおよび人工知能に関する科目を教えている。詳しいプロフィール

講義

  • アン・サンソン(2025)。『ビジネスのためのデータサイエンス』講義案。韓国オープンサイバー大学校 人工知能融合学科。
  • アン・サンソン(2025)。[K-デジタル] 人工知能 自然言語処理。STEP(スマート職業訓練プラットフォーム)、韓国技術教育大学校オンライン生涯教育院。
  • アン・サンソン(2024)。[K-デジタル] フィンテック データ分析の基礎。STEP(スマート職業訓練プラットフォーム)、韓国技術教育大学校オンライン生涯教育院。

STEP講義へのリンク:link.step.or.kr/1qyVoJ · link.step.or.kr/M9na9N · link.step.or.kr/brqEyc
サイトのリニューアルによりアクセスしにくい場合は、www.step.or.krからアクセスしてほしい。

論文と発表

  • アン・サンソン(2025)。国民老後保障パネルデータを活用した世帯支出予測モデルの研究:人工知能モデルに基づくアプローチ。『未来社会』、16(2)。原文
  • アン・サンソン(2025)。国民老後保障パネルデータを活用した世帯支出予測モデルの研究:人工知能アプローチ。国民老後保障パネル学術大会 発表資料(2025.05.13)、国民年金公団 国民年金研究院。発表資料
  • アン・サンソン(2025)。SNSテキストに基づく麻薬疑い取引の検出アルゴリズムに関する研究:パターンおよび文脈分析を中心に。『未来社会』、16(1)。原文
  • アン・サンソン(2024)。金融分野の異常検知モデルのセキュリティのための統計に基づく敵対的データへの対応策:実証分析とシミュレーション結果。『未来社会』、15(3)。原文
  • アン・サンソン(2024)。人工知能を活用した仮想キャラクターの特性に基づくSNS投稿検出ソリューション。2024 Summer Newmedia Party ポスター発表(2024.06.19)、ソウルメディア大学院大学校。
  • アン・サンソン(2024)。産業災害パネルデータを活用した機械学習モデル。第10回労災保険パネル学術大会 ポスター発表(2024.05.17)、勤労福祉公団 勤労福祉研究院。
  • アン・サンソン(2024)。暗号資産の時系列データの分析と予測:時系列モデルおよび人工知能モデルの比較と改善点の提示。『未来社会』、15(1)。原文

E-2 学術参考文献

  1. [R1] Radford, A., Kim, J. W., Hallacy, C., Ramesh, A., Goh, G., Agarwal, S., Sastry, G., Askell, A., Mishkin, P., Clark, J., Krueger, G., & Sutskever, I. (2021). Learning transferable visual models from natural language supervision. ICML 2021. arXiv:2103.00020 — セクション3(対照学習、CLIP)
  2. [R2] Tevet, G., Gordon, B., Hertz, A., Bermano, A. H., & Cohen-Or, D. (2022). MotionCLIP: Exposing human motion generation to CLIP space. ECCV 2022. arXiv:2203.08063 — セクション3・4
  3. [R3] Guo, C., Zou, S., Zuo, X., Wang, S., Ji, W., Li, X., & Cheng, L. (2022). Generating diverse and natural 3D human motions from text. CVPR 2022. — セクション5(HumanML3Dデータセット)
  4. [R4] Tevet, G., Raab, S., Gordon, B., Shafir, Y., Cohen-Or, D., & Bermano, A. H. (2023). Human motion diffusion model. ICLR 2023. arXiv:2209.14916 — セクション5
  5. [R5] Zhang, J., Zhang, Y., Cun, X., Huang, S., Zhang, Y., Zhao, H., Lu, H., & Shen, X. (2023). T2M-GPT: Generating human motion from textual descriptions with discrete representations. CVPR 2023. arXiv:2301.06052 — セクション5

E-3 図と数字の出典

  • 場面の絵(テキスト–動作マッチング、プロンプトから動作へ、テキストプロンプト、ダンス動作カード)は、著者が自作したピクセルアートである
  • シーンと文はすべて合成データである。文28個と単語のかけら40個は著者が決めた
  • セクション3・5の下の表は、コード1・2を実際に実行した結果である。画面の中の学習と「作る」は、ブラウザで同じ計算をもう一度回したものなので、数値が少し異なる

教育者向けTIP

講師、実務OJT担当者、チューター向けの運営ガイドである。時間は目安なので、実際の授業に合わせて調整する。

対象5-3を終えた大学生・社会人。「プロンプトを入れると結果が出てくる」生成AIの中身を知りたい企画担当者・実務者
前提知識5-3の潜在空間、内積とソフトマックス(3-2・3-8)
学習目標① 文を数に変える最も単純な方法(単語袋)とその限界を説明できる ② 対照学習が「ペアは近く、他は遠く」で2つのじょうごを合わせる過程を説明できる ③ 共有マップでの探す・作る・つなぐの違いを、例を挙げて示せる
目安時間読む 30〜40分 · アニメーション実演 25分 · Colab実習 25分(コード1 12分、コード2 13分)

3つの運営案

講義型50分

概念中心

導入 5分(セクション1)→ セクション2 単語袋 8分 → セクション3 学習再生 15分 → セクション4 地図 7分 → セクション5 文を入れてみる 10分 → セクション6 間違えた文 5分。

実務OJT 90分

プロンプト設計中心

セクション2・3 20分 → セクション6の表で「モデルが知っている言葉と知らない言葉」を討論 15分 → セクション5でチームごとにうまくいく文・いかない文を探す 20分 → コード1に新しい文を入れて再学習 25分 → まとめ 10分。

1対1チュータリング

レベル別の進度

入門者はセクション2・3・5のみ。中級者には、コード1の G = (P − I + Q − I) / 14 の1行が、なぜ「対角線は上げ、残りは下げる」のかを2 × 2の表で手計算させる。

セクションごとの運営ポイント

セクション立ち止まって問いかける質問操作のコツ
2 言葉は数「'캔을 던진다'(缶を投げる)と'던진다 캔을'(投げる 缶を)は、なぜ同じ数になるのか?」2つの例を交互に押す
3 ペア合わせ「線がペアを見つけるのに何ステップかかったか? テスト文では?」学習再生のあと、「テスト文」に切り替える
4 同じ地図「学習前、ひし形はどこにあったか?」ステップのバーを400 → 0へドラッグしてみる
5 言葉 → 動作「探すと作るの結果は、どう違うか?」「춤춰」(踊って)を「作る」で何度も押す
6 限界「'던져 버린다'(投げ捨てる)を正しく探させるには、何を変えればよいか?」セクション5でその文を入れて、自分で確かめる

よくある誤解 Top 5

誤解正しい説明見せる場面
AIは文の意味を理解して動作を選ぶ文を数に変えて、地図で近い場所を探すだけである。この回の数は、単語のかけらがあるかないかだけであるセクション2、セクション6
対照学習には正解ラベルが必要だ「この文とこの動作はペア」という組さえあればよい。種類の名前は使わないセクション3の解説
学習損失が0に近ければ、初めて見る文もよく当てる損失は学習文を基準にしたものである。テスト文は7個中5個しか当てられなかったセクション3の表
文を長く詳しく書けば、いつもうまくいく辞書の外の単語や、別の動作の単語が混ざると、かえって見当違いの場所に引っ張られるセクション6「손을 펴서 떨어뜨리고 걸어간다」(手を開いて落とし、歩いていく)
「作る」は、学習データになかったまったく新しい動作を作る地図で近いシーンが集まる場所の付近から引き出す。学習した動作の種類の外へは、ほとんど出られないセクション5「날아올라」(飛び上がれ)

確認問題(解説は押すと開く)

Q1. 辞書が[캔, 던지, 흔들, 손](缶、投げ、振、手)の4マスのとき、「손을 흔들며 캔을 던진다」(手を振りながら缶を投げる)の単語袋は?

[1, 1, 1, 1]。4つのかけらがすべて入っている。この文は「投げる」と「手を振る」の間のどこかへ行くことになる。

Q2. ペアの点数表が[[3, 1], [0, 2]]のとき、1行目のソフトマックス確率は? 学習はこの行をどう変えようとするか?

e³ / (e³ + e¹) ≈ 0.881、e¹ / (e³ + e¹) ≈ 0.119。対角線(0.881)は1の方へ上げ、ペアでないマス(0.119)は0の方へ下げるように、2つのじょうごを直す。

Q3. テスト動作 → 文の当てが100%なのに、テスト文 → 動作が7個中5個である理由は?

動作の側はシーンが420個あるので種類ごとに形がしっかりできたが、文の側は種類ごとに学習文が3個しかなく、単語袋は文脈を知らない。初めて見る単語の組み合わせが来ると、言葉じょうごがぐらつく。

Q4. 「걷다가 손 흔들기」(歩きながら手振り)で、前半が見当違いになった理由は?

「걷」(歩)は辞書にはあるが、学習文には一度も出てこなかった。そのマスの重みは最初の小さなランダム値のままなので、地図上で意味のある場所を指さない。「걸어가다가」(歩いていて)に変えると「通り過ぎる」が出る。

Q5. 探すと作るのうち、個人情報のリスクがより大きいのはどちらか? それはなぜか?

探す。学習シーンをそのまま取り出すので、実在の人の動作データなら、その人の動きがそのまま出てくる(5-2の生成器Cと同じ)。作るは、複数のシーンが集まる場所から新しく引き出す。

Colab課題

基本

コード1のCAPTIONSで、「投げる」の学習文を1つ「길에 캔을 던져 버린다」(道に缶を投げ捨てる)に似た文に替えて再学習する。テスト文の的中がどう変わるかを報告する。

挑戦

単語袋の代わりに「2文字ずつ重ねて切ったかけら」(例:「던져」→「던」、「져」、「던져」)を使うbag関数を作り、初めて見る単語(「걷다가」、歩いていて)をよりうまく扱えるかを、テスト文の的中で比べる。

難易度の調整と発展学習

入門者セクション3の学習再生ひとつだけでも、「ペアを合わせながら学ぶ」がつかめる
発展CLIP・MotionCLIP論文の図1をこの回のセクション3と並べ、同じ点と違う点を発表させる
次回5-5 「踊って」からダンス映像へ — 棒人間のダンスに助手の姿をまとわせる

ミッション5-4完了!

「5-4 単語から動作へ」を最後まで読みました。研究室の仲間たちが、ひと言ずつまとめます。

博士
博士言葉と動作をひとつの地図に置きました。
  • 文は単語袋40マス
  • ペアは近く、他は遠く:対照学習
  • 地図から探し、引き出し、つなぐ
助手
助手「던져 버린다」(投げ捨てる)がごみ箱の方に行ったのは、ちょっと納得いかないですね。文脈が分かるじょうごが必要です!
ショウジョウバエ研究員
ショウジョウバエ研究員いよいよ最後だよ。棒人間のダンスを、助手のダンス映像に!